知りたいことが増えてきた 9/6
最近になって書籍を齧っては傍らに放置する事を繰り返して行く中で時間が過ぎていった。最近のわたしくの関心事は多岐にわたっている。特定の分野に関心があるというより科学諸般に惹かれつつある。 学問的に紳士で有るとは毛頭思わないが、科学の面白さの上澄み液を吸うことの悦楽を知りつつある。SF作品やライトノベルで用いられる物理学や数学的用語の数多くは我らが味方ブルーバックスを読む 事で得られる知識で構成されているように思われる。岩波書店は書籍の安定供給を担うことで廉価で学術的な書籍への一般市民のアクセスを容易にするために設立されたとか聞いた事があるが、講談社が 刊行してブルーバックスは文理を問わず誰にでも理解しやすい科学のトピックを扱っている。量子力学や代数幾何学の様に少しオタク心を擽る様な分野についての書籍も数多く出版されており、その多くが 一時間のアルバイトを代償に手に入れる事が出来る。リテラシーの高い学生同士でカンパすればお昼一食分でその本の肌に触れることが出来る。それでいて面白く、時間と知的好奇心を満たしていくれる。 先程、SFやライトノベルで扱われる科学的内容は学術書や論文を読まずとも知識を手に入れる事が可能であると述べたが、それを作品として組み込み、それでいてエンタテインメントを演出することの難しさは 想像に難くない。寧ろ、一般的な書籍で手に入る知識をベースに即ち、読者層のリテラシーを鑑みた上での采配であり、それが作家の知識量の上限であると考えるのは間違いであろう。寧ろ、難解な用語で 煙に巻かれればSF作品の知的好奇心の萌芽を潰しかねない。私はエンタメとは読者層のリテラシーと関連していると考える立場の人間であるため、高度でハイソな雰囲気には少々批判的である。
学問分野を知らない
体系的な学びの姿勢は未だに確立できていない。寧ろ、確立出来るなら研究者の仲間に入れてもらえるかもしれない。サブタイトルに有るように私は学問への姿勢を知らないと共に学問分野、それ自体を 知らない。前述のブルーバックスにて「トポロジカル物質とは何か」(長谷川修司著)を読んでいたのだが、ろくに高校で理科科目を勉強してこなかったため、自分の無知さを痛感させられるばかりである。 知らないことを恥じ入る必要は無いのでこれから色んなことを知る予定である。全部は読んでいないが、原子についてのトピックが興味深かったためアウトプットの為にここにそれを記す。物質を構成する 最小の構成要素と聞いて、何を思い浮かべるだろうか。原子と答える人間もいるだろう。確かに、昔は原子が最小要素であると考えられてきたが、ノーベル物理学賞第一回受賞者であるヴィルヘルム・レントゲンが 発見したX線を用いた、解析手法の1つであるX線回折により、その原子が最小構成要素でない事が明らかにされた。実際には、原子には正の電荷を有する原子核と負の電荷を有する電子とによって構成されている 事が現在知られている。実際にわたしも、化学の教科書で太陽系の様に原子核を回る電子のイメージ図を目にしたことがある。科学ではアナロジーが用いられることも暫しで、先程述べたような原子核と 電子の構造が太陽の周りを公転する惑星に例えて話されるが、これはニュートンに端を発する古典力学では説明できない事があるようだ。太陽系は太陽の引力とその公転する際の遠心力が拮抗している。また、宇宙 空間では重力が無いために、重力によって遠心力を失い、太陽に近づくという事がないようで、それ故に公転周期が変化することがない。先程述べた通り、太陽系のアナロジーで語られる電子と原子核の関係は 電磁気学という学問では説明できない。何故なら、電子は光を放出するため、そのエネルギーを失い、原子核に衝突する事になるはずだ。しかし、実際にはそのようなことは起こらない。ここで登場するのが、 量子物理学という学問分野である。この体系理論では電子は教科書でイメージする様な粒子の性質だけでなく、波としての性質を併せ持つという。これは自分のイメージの与り知らない領域である。このように現在の学問体系では説明できない ことが明らかになり所謂パラダイムシフトが起こる。話が膨らんだが、そもそも本書を読むまで量子物理学という学問は知らなかったし、電子が粒子と波の性質を持つと考えた方が筋が通るということも知らない。 未知へのアクセスが更なる好奇心を育む体験をした。読書について色々語ったことがあるが、体系的な学問への知識を確立することも大切だが、素朴な気づきや知ることの愉しさを純粋に享受するという点も大切にしたいと思う。 ブルーバックスを例に取ったが、説明文で科学を語る為、前提知識が無いことが読書のUXを高めている要因の1つであると感じた。私は数理的な理解を強いられると頭がパンクしそうになる人間なので、上澄み だけを吸えば満足してしまう。しかし、このような科学の上澄みという甘い汁だけを吸えるのは、先代たちが残した数理的な証明の数々あってのことである事実は忘れるべきでは無いと感じた。話が脇道にそれてサブタイトルを 回収できなかった。悲しい。
構成された文章を書く難しさ
長い文章を書こうと思ったら半ば必然的に構成力が無いと難しい。トピックに対して一貫性の無い文章は尻切れトンボで、それが展開されないので必然的に文章は短くなる。特に論文も複雑な長文も書いたことが 無いため、論理構成が複雑な文章を書く能力が乏しい。これは恐らく、所謂論理的な思考能力が無いことに起因していること考えられる。抽象的な図を用いたアイデアの膨らませ方というアプローチを取ったことが 無いため、図形的思考と言われるやつを少しやってみようかと思った今日この頃。文章を書いている最中に日をまたいだため、タイトルの日時が少し嘘を孕む事になった。もう寝る。生活リズムを整えることは大切なり。 しかし、今日は久しくコーヒーを飲んだため、眠れそうにない。