『時をかける少女』を観た
全てがピースの様に嵌った名作『時をかける少女』監督は大林宣彦で主演は原田知世。筒井康隆原作の本作は過去に幾度となく映像化され、清純派若手女優の登竜門的な作品として位置づけられている。世代ごとに何がスタンダードかが変わる作品という事で面白い。自分は1983年の『時をかける少女』をAmazonプライムでレンタルして鑑賞した。感想としては非常に良くできた作品だという事この上なし。ただ、瓦礫のシーンだけはもう少し派手にやっても良かったのではないかとか思ったりしなかったりする。
個人的にぐっと来たシーンとしては、地震以降のタイムリープ描写と、ラストの深町祖父母の会話のシーンである。タイムリープの演出シーンは普通に天才かよと舌を巻きました。カレンダーをめくるシーンは各所でオマージュされている。一番有名なシーンは恐らく土曜日の実験室へ戻るシーンだろう。鴨志田一の『青春ブタ野郎』シリーズでは、主人公の彼女を助けて戻ってきたシーンで土曜日の実験室でカレンダーを確認するというシーンがある。実際、映画を鑑賞して一番インパクトが強いのがそのシーンであることは間違いない。
原作を読んでいないが流石に読んでおいた方が良さそう。後、映画というメディアが普通に面白い事に大分遅いが気づけたので、色んな作品に触れて今後、感想や表現媒体としての映画に着目した考えをまとめてブログに投稿しようかと思う。まだ、映画を観る作法を理解しきれていないので、様々な作品を追うごとに、自分なりの鑑賞スタイルを身に付けられたらと思う。
作中で描かれた夢から覚める直前のシーンで猫が不思議な物語への呼び水として象徴的に描かれている点があったが、やはり猫は不吉さや不思議な物語の象徴として描かれるのは作品問わずに共通なのだろうか。
作品自体は大分ライトに書かれていて説明も十分になされている為、理解しやすい作品だったと思う。自分は映像作品の情報量の多さで頭がパンクするタイプの人間なので、難解な作品や伏線が張り巡らされるような考察必至の作品を一度に楽しめる訳では無いが今回は相当いい体験ができた。